新米釣り人本格的な冬の到来に怯える。

連日寒い。しかしこれまでの人生で30数回の冬を過ごして来たから冬には慣れっこだ。

 

と言いたいのだが釣り人として迎える冬は今年が初めてとなる。11月末の現在も頻繁に釣りに出かけているのだが……。正直既にしんどい。海辺は寒い。とんでもなく寒い。神奈川の海ではなく北極か南極に来てしまったのではないかと思うくらい寒いのだ。これから更に寒くなればどうなってしまうのだろうか?

 

待ち合わせをしたのに一向に現れない相手を何時間も待つ。映画などで良く見かけるシーンだ。しかし彼らが待つ場所は大抵が駅前か街中だ。海の近くじゃない。寒さに震えながら釣れるのか分からない魚を待ち続けるのは苦行だ。

 

釣りの楽しさと冬の辛さが現在シーソーをしている。今はまだ釣りの楽しさが勝っている。だがあと数日で冬の寒さに負けるだろう。

 

先日釣りをしていたら釣り人地蔵さんを見かけた。お地蔵さんのように微動だにしない釣り人さんが釣り人地蔵さんだ。僕は寒いから体を揺すったり手を揉んだりしているのに彼はじっと耐えている。「寒さが何だ。絶対に魚を釣るのだ」という鋼のメンタルが彼を支えているのだろう。寒さに負けず釣りをする人って凄い。釣りを始めなければ彼らの凄さを知らないままだった。しかしそんな彼でも魚は釣れていなかった。釣りって残酷なスポーツだ。

 

釣り用のウェアか登山用の服を買おうかと検討したが釣りや登山の服は高価な品になればなるほど使い勝手は悪くなる。専用ウェアなので当然ではあるが普段使いするには暑過ぎるのだ。安物であれば普段着として使えそうなのもある。しかし普段着として使えるのならば防寒性能は低いという事だ。釣り専用の高価な服を買う余裕は無いので今持っている服を重ね着して頑張るつもりではいるがいつまでもつだろうか。釣り人地蔵さんのようにはなれそうもない。