“麻婆豆腐”本場四川の壁は高かった。

最近麻婆豆腐にどハマりしている。きっかけはダモアさんで売られている麻婆豆腐丼だった。
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その日は僕の大好きな焼き鳥丼が売り切れていた。お弁当売り場で焼き鳥丼と双璧を成す勢いで推されている麻婆豆腐丼を気まぐれに買ったのが始まりだった。

麻婆豆腐にハマる前は麻婆豆腐でメシが食えるかと小馬鹿にしていた。麻婆茄子なら分かるが豆腐て(笑)くらいの感じだ。麻婆豆腐がご飯に合うという事実を37年間僕は知らずに生きていた。

思えば中華料理店でも麻婆豆腐は主役級の扱いを受けている。僕の好きな青椒肉絲(チンジャオロース)よりも麻婆豆腐の方がメニュー表の良い位置に掲載されている。つまりは僕以外の人々はとっくの昔に気付いていたのだろう。麻婆豆腐は凄いぞと。

餃子の王将さんの麻婆豆腐も買ってみた。
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やはり美味しい。そりゃあどの中華料理屋さんでも主役級の扱いを受けるはずだ。

スーパーで麻婆豆腐の素を買い自分でも作ってみた。
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当然甘口を買う。
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自作すれば豆腐の量も辛さもとろみ加減も好きに出来る。

このように麻婆豆腐ライフを満喫していた僕だが心中に1つの疑問が湧いた。僕は本当に麻婆豆腐の真の美味しさを味わえているのだろうか? 麻婆豆腐は辛くてなんぼではないのか? 

僕がこれまでに食べた麻婆豆腐の辛さはかなり抑えられている。言わば日本人の口に合うように作られた麻婆豆腐だ。麻婆豆腐発祥の地は中国の四川省らしい。四川料理の代表格が麻婆豆腐であり四川料理は舌が痺れるほどの辛さを特徴とする中華料理だそうだ。と言う事は僕が普段食べている麻婆豆腐は本場四川の麻婆豆腐では無い。

辛くない麻婆豆腐を食べて麻婆豆腐は美味しい。麻婆豆腐は凄い。と言っている僕を本場中国の人間が見たら失笑ものだろう。ならば辛い麻婆豆腐も食べなければ本当の麻婆豆腐を食べたとは言えない。ましてや麻婆豆腐が好きだなんて口が裂けても言えない。最近は辛い物もそれなりに食べられるようになってきている。チャレンジしてみよう。

と言う訳で僕が普段利用するスーパーで1番辛そうな麻婆豆腐の素を買ってきた。辛い麻婆豆腐も美味しく食べられてこそ真の麻婆豆腐好きである。
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丸美屋さんの商品だ。いかにも辛そうだ。

完成した。
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これまで食べてきた麻婆豆腐とはまず匂いが違う。ふんだんに使用された香辛料の匂いだ。食べる前から体が危険を感じ取っている。

ひと口食べると額に汗が浮かび舌が痺れた。料理特有の不思議な表現に“コク”という言葉が存在する。コクがあると謳っておきながら全くそれらしきものを発見出来ない料理も山ほどあるがこの麻婆豆腐には明確にコクがある。辛いだけじゃなく美味いのだ。辛い物が得意では無い僕が最近積極的に辛い物を食べるのはこういった料理に出会うためだ。

辛さは僕の許容範囲を少し上回ったが美味しく食べられた。甘口の麻婆豆腐も辛口の麻婆豆腐も僕は楽しめる男だ。今後麻婆豆腐好きを名乗っても誰も文句は言わないだろう。

とまぁ本当はここまでで記事は完成となるはずだった。だが昨日腰痛を和らげるために腰に貼る湿布を買いに行った薬局で僕は見てしまった。

麻婆豆腐の素は色んなメーカーから販売されている。一般的にはどこの麻婆豆腐の素も150円程度の値段で販売されている。先ほど紹介した丸美屋さんの麻婆豆腐の素は少し高くて250円くらいだ。しかし今回薬局で見つけた麻婆豆腐の素は丸美屋さんのよりも更に100円高い税抜き348円だった。しかも今まで食べてきた麻婆豆腐の素には必ず挽き肉が入っていたのに今回の商品には挽き肉が入っていない。必要なら自分で用意してくれスタイルだ。
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味の素さんのCook Doの麻婆豆腐の素である。

挽き肉無しで作ってみた。
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辛さは丸美屋さんの麻婆豆腐と同じくらいだが舌に受ける痺れは今回の麻婆豆腐の方が強い。より本場四川寄りの麻婆豆腐なのだろう。

正直言うと僕には辛過ぎた。半分食べると舌が痺れてそれ以上食べるには休憩が必要だった。まだまだ僕には無理な領域もある。ネットでこちらの商品を調べてみると本場四川の麻婆豆腐はもっと辛いとのコメントも見かけた。四川の壁はとてつもなく高いようだ。麻婆豆腐好きを公言するのはもうしばらく控えておく。